インターフォンから音が出ない。
このご時世なので、ネット注文は日常となっており、大変なお仕事の宅配便クルーの方には、毎度玄関にあるインターフォンを利用してもらっている。
しかしある時から、呼び鈴は鳴るがこちらの声が聞こえてないらしく、何度も呼び鈴を鳴らされる事態になり、調べてみると、どうやらインターフォンが壊れていることが判った。

もう30年も経つこのインターフォン。型は「NTT E-VX-DHA」という型らしい。
ネットで調べると、オークションでは中古でも万を超える価格で取引されているようだ。しかし、もう少し調べると、なんとまだ販売してるようだった。
NTT東日本通信機器 ドアホン E-VXドアホンA(露出タイプ)
値段は妥当なのだが、在庫がメーカー取り寄せなので2週間程かかるとのことで、ちょっとそこまで待てないので、何か他に方法が無いかと色々調べてみる。
とりあえず、本体を外して、中を確認する。

見た感じ、コンデンサ等が液漏れを起こしている風にも見えないし、悪い所はなさそう。
症状は、
- チャイム問題なし。
- 外の音は聞こえるが、中からの声が聞こえない。
となると、スピーカーが壊れているだけなのかと、スピーカーに微弱電気を流してみるが、やはりなんの反応もない。
うむ。恐らくはスピーカーだろうと判断。だが、自分の在庫には同じようなスピーカーはないので、なんとか早めに修理したいと思い、とりあえず、呼び鈴だけは機能するので早々に元に戻し、お客さんが来たら大きな声で昭和初期の時代よろしく、大きな声で返事で凌ぐことにする。全く意識していなかったが、こんなにインターフォンが大事だったとは思いもよらなかった。結構盲点である。無くなってその有難みが分かるというやつだ。
修理の間の代替品
こうして、呼び鈴だけの状態で暫く凌ぎ、とりあえず代替案を考える。
NTTドアフォンで調べると互換性があるような後継機種(NTT E-ドアホン-S2)を見つけた。
NTTブランドOEM
さらに、その機種はOEMで、「アイホン」というメーカーが出していることが分かった。
こっちが本家
アイホンはアイホンでも、アップルのiPhoneではなく、AIPHONE(アイホン)。ここ間違えないように(笑)。恐らくは、iPhoneよりも前に発売されているだろうし、カタカナ表記も違うので、なんの問題もないのだろう。ネームバリューは落ちるが、恐らくは形状が瓜二つなので、中身は同じと推測。在庫も潤沢ですぐてにはいる。更に価格は半額なので失敗しても良いように安い方を選択し早速取り寄せる。


ちなみに、某セルフガソリンスタンドのスタッフ呼び出し用インターフォンにも使われてる。
アイホンのシステムが違っていた。
翌日到着し、早速動くか確認してみるが、残念ながら上手く動かない。
声はお互いに聞こえるが、音量がかなり小さく、そして、呼び鈴が鳴りっぱなしとなる。どうやら互換性は無いらしい。
うーん、やっぱり早合点だったか。三千円が無駄になったと落胆していたが、そこはこの諦めの悪い私。よくよく調べると、ドアフォン制御ユニットというチップ規格にHB-DHCU-A とE-DHCU-Bの2種類あることが判った。

なるほど。このアイホンには後者のE-DHCU-Bが必要だったのだ。今ある親電話機を開いて確かめると、確かに前者のHB-DHCU-Aが刺さっていた。

なるほど。そりゃ動かない訳だ。そんなシステムになっているとは知らなかったので勉強になった。
あきらめの悪い私
更にお金をかけてチップを取り寄せて動くようにするか、三千円を無駄にしてインターフォンを買い直すかだが、勿論、私の性格上、諦めるということはせず、チップを取り寄せて動くようにしたい。そして、これが動くようにしてから、壊れたインターフォンをじっくり修理してみる方向へ。
早速チップをオークションで探してみると2千円で売っていたので取り寄せ。

このチップには、HB-DHCU-A には無い音量制御ディップスイッチが備わっている。今あるインターフォンは、インターフォンの下側に音量調節用のダイヤルが付いているタイプだ。電話機側に移設することでインターフォン側の装備を簡略化する狙いがあるのだろう。
チップを交換することで動くようになった
レターパックで発送されたのでちょっと時間がかかってしまったが、届いたチップを装着して早速動作確認すると、今度はうまく動くようになった。よしよし。これで大きな声で返事する必要もなくなった。
動作確認できたので、取付作業にとりかかる。

台座取付穴は全く同じ位置だった。これは助かる。そのままポン付け可能。ただ、元々の配線が短く、このアイホンでは届かなくなったので、配線をつぎ足し、装着。配線は2本だけだ。これだけでチャイムと相互の会話ができるのだから凄いもんだ。
壊れたインターフォンの修理開始
さて、これで暫く時間稼ぎができたので、壊れたインターフォンを直す。
色々見てみたが、やはり、スピーカー以外は壊れてなさそうである。スピーカーをよく見ると、Toptoneというメーカーで、「22C-4 8Ω 0.2W 233」と書いあった。

型番は「T57C22C-4」。ネットで調べると結構ヒットする。メーカーサイトで該当スピーカーのスペックが出ていたので調べてみると、寸法もばっちりだしこれに間違いないようだ。

本体は大体7百円から千円前後で販売されてるが、送料が商品価格を上回る。今回はいつもの「モノタロウ」さんで購入。


表記も形状も全く同じ。よしよし。これをもとあったように取り付けるだけ。
取り付けて、実際に直っているかテストするとちゃんと音が出た。やはりこのスピーカーだけが壊れていたようだった。
だが、これだけでは面白くない。どうせやるなら、ケースが経年劣化でしなびた状態になっているので塗装してやろうと計画。また、スピーカーとマイクの防水フィルムも穴が開いたりして痛んでいたので、取り換えてやる。


色はグレーメタリックのようだったので、田宮のガンメタリックを採用。
そして、風雨に晒されることを考慮し、2液タイプのクリアで艶出しを兼ねて武装する。
もうこの時点で、新品買える費用が掛かっているのだが、既に損得の問題じゃないく、「やりたい」の一心なのだ。
塗装は難しい
ケースをペーパーがけして生地を出し、塗装に備える。元の塗装は結構貧弱なものだった。そして、フィギュアの塗装よろしく、棒に固定して塗装の準備をする。

何十年ぶりかに購入した田宮のスプレー。

メタリックなので、カッシャンカッシャンと必要以上に攪拌する。これ大事。それにしてもこの感じ、久しぶり。何年ぶりだろう。ワクワクするねぇ。
しかし、塗装はとても難しい。やはり液だれ、ムラ、埃付着がどうしても出てしまう。特にメタリックの場合は、ムラが如実に表れる。一度綺麗に塗れたと思ったら埃がついてしまい、再度やりなおし。やり直したら今度は脱脂ができてない部分があって弾いてしまう。再度やりなおし、やっと綺麗に吹けたので、次はクリアでコーティング。
2液クリアはあまり時間が無いので、写真は撮れなかった。乾いた所で、更にコンパウンドで磨き、車用コーティング剤で更に艶出しする。そして、苦労して完成したのがこれ。

うんうん。まぁまぁの出来である。
スピーカー、マイクの防水フィルムをラップで新調し、取り付ける。

完成
元通り組み立てて完成。

ええ感じじゃないの?勿論、新品買った方が安いとかいうのは無しということで。
偉そうに酷評で申し訳ないが、アイホンはどうしても見た目がチープだったので、この形と色艶にこだわってみた。これで玄関も箔が付くというもの。
ボタンもカチというストロークの無いスイッチだったので、確かに用は足りるが、少々質感としては物足りなかった。更には、これが壊れてもアイホンの代替品があるので、親機が壊れない限りは暫くは安泰という無駄な安心感を得られた。
以上で修理記録終了。あぁ面白かった。
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