メルセデスベンツM274エンジンのインタークーラーホース、シーリング・リング交換

メルセデスベンツM274エンジンのインタークーラーホース

えー、なんかですね。ゼロ発進時の加速感がないというか、低速トルクが無いというか、1速から2速への切り替えが遅くって、自分の感覚では、大分アクセルを踏み込んで回転を上げないと2速に入らないような、下手すると1速でエンブレ掛かる勢いでエンジンに負担がかかっている感がある。(←これは極寒時、且つ、デフオイル劣化によるものと後で判った)また、ある時は音も無く強烈な加速を見せる時もあれば、同じアクセルの踏み方でも、エンジン音だけ大きく、軽並みの加速しかしない時がある。気温か熱ダレの所為なのかと思っていた。

インタークーラーホースジョイント

だが、ある時エンジンルームのクーラント臭が気になったのでエンジンルームのアンダーカバーを外してLLC漏れが無いかチェックしていた所、目の前に現れたインタークーラーホースのジョイントを見てある事に気が付いた(このクーラント臭の原因は結局、クーラントサブタンクからだったのだが)。このM274エンジンのインタークーラーホースジョイントは一般的なホースバンドじゃなくてシーリングリング接続だったと言う事が判った。とすると、このシール不良でブースト圧が抜けているんじゃないかと推測。このシールは一般的なホース類を接続するホースバンドとは違い、所謂FA用ワンタッチ継手と同じシール構造。なるほど合理的なのだがこれには弱点もある。

シールの経年劣化もあるが、細かな砂利等の汚れがシールに入り込み、ブースト圧が抜ける場合がある。

部品調達

早速、EPCを開いて部品を調べる。

左右インタークーラーパイプのIN、OUT側全部で4つ必要。

  • A 021 997 64 45 成型シーリング・リング タービン側 × 1
  • A 021 997 65 45 成型シーリング・リング インマニ側 × 1
  • A 021 997 66 45 成型シーリング・リング インタークーラー側 INOUT共用 × 2

このシール単価が約1,600円!たかがシール一つに1,600円。全部で6,000円を超える。国産なら高くても一つ500円位でしょう。流石はメルセデス。軽いジャブがわき腹に効いてくる感じだ。でも背に腹は代えられないので、いつもの部品屋さんで注文。安ければパイプも替えようかと思ったが、1本1万円超え(大汗)なので勿論断念。

シールに接着剤系シリコンを塗ったり、テープ類で密閉して安く上げようとする事も考えたが、もしそれらが外れてエンジンに吸い込まれた日にゃ間違いなく壊れるので、ここは素直に純正部品を選択。

コネクタスプリングロック

さて、問題はこのホースの外し方。スプリングを開くように引っ張り、黒い樹脂製部分の一段上の窪みににスプリングの端を引っ掛ける事でロックが外れた形で固定され、ホースを取り出す事が出来る。

ただ、樹脂部分にスプリングを引っ掛けるだけではV字部分のロックは外れるが、U型のロックは外れない。

その反対部分に位置するU型スプリングをホースの奥側に引いてから樹脂部分に引っ掛ける事で、V字とU字が同時に外れ、結果ホースが簡単に外れるようになる。

この方式はメルセデスだけではなく、欧州車に良く取り入れられている。工場組み立て時でも手間が減り、且つ、高いブースト圧でも密閉が保たれるうまい方法だ。

さて、タービン側ホースを外してみたら、オイルが少し溜まっている。

エンジンオイル臭がしないので、ブローバイだよなぁ。このぐらいはしょうがないのか。

インタークーラーホース自体は、少々粉を噴いている感じだったが、汚れを落としてアーマーオールを塗ってやったら綺麗になった。素材自体もまだまだしっかりしている。

シール劣化具合

問題のシールだが、そんなに劣化している感じはなく、新品と並べてみてもどちらが新品か分からなくなる位だった。もしかすると、シール部分の清掃だけで性能が戻るかもしれないが、目に見えない機能劣化や損傷があるのかもしれないので交換してやる。

ちなみに下の写真は、BMW F20 ディーゼルの同インタークーラーホースのシーリング・リングで、M274のインタークーラー側と全く同径同形状

汎用品等が出ていてもおかしくない。値段をみて同じものなら安い方をチョイスしたい。

インタークーラ側を見てみると、シールが密着していたと思われるスジが見て取れる。

やはり、長年の埃やら砂等が堆積して密封できなくなっていた可能性が高いが、そんなもんで抜けるもんかね?と自分でも半信半疑。

OUT側はオイル付着は見られなかったが、やはり長年の振動によってすり減り、シール部分が波打っている。

綺麗に清掃し、少しシリコンオイルを散布。ホースに新品のシールを交換し、いざ装着。

シール交換、パイプ装着

インタークーラー側のパイプ形状を見ても、スプリングロックはかかった状態で挿入すればテーパー形状がスプリングを押し開いてそのまま付けられるように設計されているが、これが結構な力が要る。神経質な私は相手側に負担がかからないようにロックを外した状態で嵌めてやる。だが、このロックはちょっとの衝撃でバチンと元に戻ってしまう。そこでU字側を一度外に外しといてやる。

こうする事によって、少々手荒にホースをエンジン内部に入れてどこかに当たってもロックは戻らない。これでイライラせず落ち着いて作業が出来る。

試走と考察

さて、無事インタークーラーホースのシーリングリングの交換が終了。試験走行すると、劇的には変わらないが、アクセルを軽く載せるだけでスーッと加速する感じが戻り、「音も無く強烈な加速」感も常時体感できるようになった。

・・・気がする。

何故ならば、最近、春めいて気温が高くなっているので逆に出力は落ちる筈だが、逆にパワー感が戻り、燃費も0.2km程度落ちている事から、よりブースト圧が掛かっていると思われる。

部品だけ見ると6,000円は高いが、この値段でパワーが戻るのであれば安いもんだ。とにかく、ここはブローバイも溜まる事から、定期的に清掃する必要がありそうだ。

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