メルセデス E250(W212)デフオイル交換。

デフオイル

メーカーとしては、永年交換不要と謳われているデフオイルだが、距離として6万を超えるとやはり不安になってくる。あるショップでは交換が必要と豪語しており、メーカー側では交換不要と言われる。一体どっちなんだ?と迷う所ではあるのだが、エンジンオイルの交換時期のそれと同じように、メーカー側の指示というのは欧州での環境での話であって、日本の環境、道路事情は配慮されていない。なので、日本では日本人の判断が必要なのは言うまでもない。

エンジンオイル自体は、MB-Approval 229.3 / 229.5を満たしたオイルを3,000キロで交換、6,000キロでオイルフィルターの交換を行っている。ただ、近年の円安、オイル高騰で愛用していたオイルが倍の値段になってしまったので、敢え無くMB-ApprovalどころかACEA A3/B4も無視して、API/SPで粘度のみ合わせてしまうという自分でも信じられない暴挙に出てしまった。しかしながら、逆にエンジンは穏やかになり、今の所、400kmの高速クルージングでも問題は発生していないので、しばらくはこれで行こうと考えている。中でどう何が起こっているかは知る由も無し。

閑話休題

この交換不要と言われているデフオイルをどうするかを考えた。基本は私も機械式LSD等の特殊デフ以外では交換不要と考えていた。何故ならば、デフオイルを交換しなければならないのなら、ドライブシャフトの等速ジョイントグリースも交換する必要があると考えてしまうからだ。なぜ、デフは替えてドラシャフは無視なのか。構造がそもそも違うが、封入されている感は同じだ。なので、替えなくても壊れる事はまずないだろう。だがしかし、替えて悪い事はない。そして、どのぐらい汚れているのか、交換すればどのぐらい違いを体感できるのか確認する為に、今回は交換に踏み切った。

デファレンシャルギアオイル

いうに及ばず、純正のデフオイルはバカ高い。高級ウイスキー並みの値段だ。そんなものを買う気には到底なれない。なので、おそらくは皆さんも使っている「FUCHS Sintopoid LSギアオイル 75W-90」を選択。

これならなんとか買える。と言っても約エンジンオイルの4倍。1リッターでちょっと良いワインが変えるぐらいの値段はする。

交換実施日の選択

ギアオイルを仕入れ、その週末にでも交換しようかと考えるが、天候が悪かったり体調がすぐれなかったりで延ばし伸ばし。そして、デフオイル量はドレンの穴で測るので、リアをリフトアップするだけでなく、車体を平行にリフトアップしてやる必要がある。そこが面倒くさい。本当は、リフトかクイックジャッキ等のリフト機器でやれば作業効率各段に上がる。

リアのリフト方法

以前からもブレーキフルードの交換時等、4輪を浮かせる場合は、フロント側に自家製の馬をかまし、リアのサイドのジャッキポイントを両方から2台ガレージジャッキを使って浮かす方法をとっていた。私としては、車軸式でもない限りデフをジャッキポイントにはしたくないからだ。だが、それは車体下に潜らない条件での話。ガレージジャッキが油圧抜けで降下しないようにガレージジャッキ自体にパンタジャッキをかまして安全策をとってはいるが、それでもガレージジャッキだけでは下に潜るのは自殺行為に近い。

メルセデスのジャッキアップポイントは樹脂製で特殊な形をしているので、市販のリジットジャッキだと支点が小さすぎ、ジャッキアップポイントが傷んでしまう。アダプターを使っても、下手するとボディーに食い込ませてしまう。

じゃぁ、スロープ等を使ってタイヤ毎持ち上げたとしても、締め付けトルク5kgを許容する長い柄のトルクレンチを回す作業スペースは確保できない。

この商品のような、やたら高さのあるスロープならできるだろうが、樹脂製なので経年劣化等も不安要素として出てくるので不安だし、買ってもその後ほぼ使う事が無い。実は以前所有していたのだが、フロントからは角度がキツいので登れないし使えないし邪魔なだけなので処分してしまった経緯がある。リアからなら登るかもだが、それだけの為に再度購入するのもちょっと自分でハードルをつくってしまっていて食指が伸びない。

クイックジャッキ購入を検討

クイックジャッキという、とても中途半端なジャッキがある。いいような悪いような。だが、確かにガレージジャッキで馬をかませてうんたらくんたらする作業よりも遥かに簡単で安全ではある。輸送も保管も問題はない。これかなぁと検討に入る。確か、10万円ぐらい?と記憶していたのだが、この物価高騰で、且つ我メルセデスに合うサイズであれば、倍する値段になっていた。

本当は門型リフトが欲しい(←毎回言ってる)のだが、場所も予算もないのでなかなかハードルが高い。じゃぁ、シザーリフトはという事であれば、同じぐらいの値段で買えるのだが、それも保存場所が限られ、そもそも、輸送手段が運送会社営業所止めで、本体は600㎏もあるので、リフトは要るはトラックは要るわでそれもそれで悩ましい。

と、色々考えるのだが、結局は、今までの方法で安全確認すれば大丈夫だろうという事で、現行のジャッキアップ方法でやる事にした。

交換決行

GW中日。気候は穏やか、ちょっと日差しがきついが、作業日和だ。

まずは、例の方法を車体をリフトアップ。車体を揺らしてびくともしない事を確認して、下に潜る。やっぱ怖い。デフ本体は両脇にエキパイに囲まれていて、レンチを入れずらい。

デフオイルドレンは14㎜のヘキサゴン。以前、MD30(XRBAJA)のフロントフォークで使うために買っておいたソケットレンチがあったので新たに揃えずに済んだ。

上側のドレンを外し、受け用オイルパンで支えながら下側のドレンも外す。

オイルを出している所を撮ろうと準備はしていたのだが、潜りながら手に付いたオイルを拭いながらで、写真を撮るまでに時間がかかってしまって、更にカメラに違うメモリを入れてしまっていて、フォーマット?あれ?違うがなとメモリを取りに行って、焦っていたからまた違うメモリ持ってきてしまったりとあたふたしていたら、オイルはとっくに出きってしまった。

オイルの汚れ具合

デフから流れ出る時のオイルを見ると透き通っていて、そんなに汚れている感じはしなかったが、オイルパンに入った状態のオイルを見ると結構汚れている事が判る。写真を撮るために太陽の反射を遮って、更に鉄粉の出具合が良くわかるようにかき混ぜてみたので余計汚れているように見えるかもだが。匂いはハイポイドギアオイルのキツイ匂いがしっかりしている。容量は漏れなどで少なくはなっていなかった。

ドレンボルトのサイズ

ドレンボルトの消失やトラブルの為にサイズを測っておいた。

オイルを注入

オイルは2リッター買っている。必要なオイルは1.2リッター。どうせ余らせても捨てるだけなので、余る分少しフラッシングしてやる。

少し入れて、タイヤを回して汚れをできるだけ流しだす。

フラッシングが終わったら、下のドレンを締める。マニュアルには、リアデフドレンシール材シールコンパウンドA0029892371を1滴散布せよとあるが、1滴の為には高額な商品だ。要はシール材なので、ヘッドカバーガスケットに使うようなシール材で事足りる。今回はキタコの液体ガスケットを使用。

少量をネジ部に付け、トルクレンチで5kgで締め付ける。

それから、新品オイルを手動ポンプで吸い上げ、上のドレン穴から注入。漏れ出るまで入れてやる。1.2リッターが示す通り、一缶と少しで漏れ出てきた。この状態で最後のドレンを同じようにガスケットを散布して同じく5キロで締め上げる。あとは、飛び散ったオイルを綺麗に拭き上げ、作業は完了。

流石メルセデス。下回りの配置の美しさ、エキパイのたくましさはいつ見ても惚れ惚れする。ここが国産との大きな違い。車は下回りを見て判断せよ。

走行インプレッション

気になっていたデフオイルの交換をようやっと終えた。交換後走ってたら、心なしか車体が軽くなったような、転がり抵抗が少なくなった、・・・気がする。デフの抵抗が少ないからか、元々少ない変速ショックがより少なくなったような、・・・気もする。あくまで気がするだけ。気温も高くなったからかな?音の感じはあまり変わらない。しかし、実際、燃費が平均11km/L前半だったのが12km/Lを超えた。

あまり交換しても意味がないと思っていたのだが、それなりに効果が出ているように思う。オイル代が高いけど、それに見合った成果がでていると思うのは人それぞれ。勿論替えて悪い事はないし、替えなくても壊れる事はないだろうけど。

いい意味で裏切られた。なるほど、8年もオイルをぶち込んだままだとそりゃ劣化もするか。ATFと同時期に交換した方が良いのかな。因みにATFは45,000kmで替えた。

ブログ後記:一寸にも足らない戯言

大型連休、世間ではGWと名を打つ連休だが、コロナ禍明けの勢いが顕著で経済的には良い傾向ではある。この連休でまた増加に転じなければ本物と言えるのではと期待はしているのだが、いまだ、空港等でマスクをしていない日本人をニュースの一場面で見ると、私は信じられない感覚に陥る。ええ、いまだに店に入店するときは消毒するし勿論マスクは外せない。

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