膀胱癌が見つかった。(その5、入院までの心と尿意との闘い)

精神的にまいる

入院はまだまだ先だ。しかし、死へのカウントダウンか、恐怖が私を襲う。足の付け根の違和感が確信に変わる。何かおかしい。希望がまったく持てない。無気力だ。苦しまずに死にたい。と思うようになる。

夜間尿

ある夜4時ごろ目が覚める。トイレに行っても、まだ強い尿意がある。1時間に4回程。寝ると駄目。座っていると落ち着く。翌日。辛抱たまらず病院の癌ケア窓口へ連絡した。

良く話を聞いてくれて、看護師とも相談してから折り返し連絡くれるという事だった。担当医は手術中で、とりあえず翌週の月曜日に受診したらどうかとの提案だったので、とりあえず受診の予約を取ってもらった。疑心暗鬼なのだと思う。精神安定剤でも処方してもらえれば助かるのだが。

今は市販の漢方精神安定剤を飲んでいる。でも、この所為かどうかは判らないが、たまに夜に息苦しくなって目が覚める。

無呼吸症候群?

夜中、何故か死にそうなくらい苦しくなって目が覚める。がばっつと起きるが、必死に息をしても全然苦しさが取れない。周りのどこかを掴んで誰かに助けを求めるが如く両手を宙に上げ「ウワー!」と叫ぶ。「このままじゃヤバイ!もうダメ!」・・・と思った位に徐々に息が戻ってくる。

息は荒く心臓はバクバクに速くなっていて、5分程その息と脈とが治まるのを待たなくてはならないような状況になる。

無呼吸ではなく恐らくストレス。それがまた寝る時怖くなって眠れない事もあったりする。でも今はその漢方を飲んででも落ち着かせ寝た方が良い。何故なら癌に睡眠不足は敵だからだ。

自分は立派な精神疾患だとおもう。

尿意が消えない。とても辛い。痛い痒いは我慢できるが、消えない尿意は何ともしがたい辛さがある。落ち着けない。横にもなれない。泣けてくる。

気を紛らわせる為に、クリントイーストウッド主演、監督の映画「グラン・トリノ」をウェブストリームで観る。俺にそっくりだ。状況も。余計悲壮感が漂う。

担当医から電話がきた

夜も更けてきたというのに、その担当医から直接電話がかかってきた。これにはびっくりした。今まで手術してたらしく、忙しいのにわざわざだ。連絡くれる事は半ば諦めてたし、その上、この精神状態だったので何を言って良いのかすぐに言葉が出てこなかった。

夜中尿意で眠れないのと、足の付け根から肛門の横を通って膀胱までなにか引きつるような痛みがある事、便が出にくい残便感がある事を伝えた。膀胱炎のような症状が出ているからで、現在の症状では酷い状態じゃないから、心配することはないと諭してくれた。

この働き方改革の時間外労働が制限されている最中に、連絡をくれるのはちょっと感激してしまった。今回の手術でもし状況が悪いことが判っても、その場で膀胱を摘出する手術までは行わないという事だったので安心した。

とりあえずは手術を頑張りましょうと。

コロナ第五波岡山200人

このコロナ禍(第5波、岡山200人)で外出するのは危険すぎるので、診察予約はキャンセルとした。気が楽になると膀胱の尿意も少し収まった気がする。胃と一緒で、緊張や不安があると尿意は強くなるのだろうか。

市販の漢方を飲んでこの2週間を乗り切るしかないので早速ネットで注文。日曜日にはくる。あと一袋有るのでなんとかなるか。

この盆休みは、家で好物のお好み焼きとたこ焼きをしてくれるそうなので楽しみだ。たこ焼き器は銅板を買おうかとおもってサイズまで計ったが、結構準備(焼き入れ等)がいるからあきらめた。落ち着いた時にゆっくりやろうと。

ちなにみこの「粉もん」は、中学生の頃から家で週一で作っていて、味はそこらへんの店よりも上手いと自負するぐらいのレシピを持っているのだ。最初は親まかせのレシピだったが、結婚してからは自分と家内でアレンジして作っている。たこ焼き器も最初は電気のテフロン製だったが、ガスの1丁焼きを買ってプロさながらに楽しんでいる。

七転八倒

夜は相変わらず最低1回は起きて、それから眠れず七転八倒する。

会社には申し訳ないがテレワークを続行する。正直、後ろめたい。でも、自分の心を鬼にしてコロナに感染しないように自分を守る。

長い日々を一日々過ごし、なんとか外出せずに入院前日までこぎつけた。

が、入院直前でとんでもない仕事のトラブルが発生。大慌てで対処する。これが収束しないと落ち着いて入院してられない。ギリギリ事は収束した。しかし、精神的にも体にも無理をしてしまった。体大丈夫かな。

俺思うに、癌とはストレスと睡眠不足によって出来る確率が高くなるのだと思う。

つづく。