鉄製タコ焼き器を銅板にグレードアップ。銅の焼き入れを体験。

大阪の家庭には必ずタコ焼き器があった。

私の「粉もん好き」は極端と言っていいほどで、昔バンドを組んでいるときに、バンド名に「こなもん」とつけようかと思ったぐらい”粉もん”が好きなのだ。当然バンドメンバーに速攻却下されたが。

お好み焼きは自分が中学の頃から休みの日に作りだして、今まで続けている。たこ焼きは、大阪人の必須アイテムとして当然のようにたこ焼き器が家にあったので、誕生日会や友達を集めてたこ焼きパーティー等を年に数回行っていたぐらいだった。

結婚してから、たこ焼きもしようかと、まず電気式のたこ焼き器を買って焼くようになった。最初のたこ焼き器は1度に10個ぐらいしか焼けなかった”おもちゃ”のようなもので、当然物足らないので18個焼けるタイプにグレードアップした。しかし、欲望は止まらず、電気式だとやはり火力が弱く、また焼きムラがでるのでガスタイプの鉄製一丁掛けを購入した。

やはりガスの威力は電気式と比べ全然火力が強いのでうまく作れるようになった。それから数年はこの鉄鍋でたこ焼きを焼いていたのだが、やはり焦げ付きが出てきてうまく焼けなくなってきだ。

よし、それではまた奮発して、鉄製を銅板に変えてやろうと一念発起。素材が銅なので、その銅板だけで1万円以上する。

だが、安い価格で販売してくれている専門業者があった。その銅板たこ焼き器の寸法は190mmx345mmで、今あるたこ焼き台にぴったり。ふちの高さは8㎜あり、プロのたこ焼き屋さんのように溢れんばかりに粉を入れて焼く事が出来る。

実はその銅板を実は以前からずっと狙っていたのだが、このコロナ禍、円高、原材料高騰によって1割ほど値が上がってしまっていた。

いつもそうなんだ。何かしようとする度に弊害が起こるのだな。気のせい・・・とおもうのだが、これだけ続くとそうも思えなくなる。(←かなりキテるな)

えい!っと大枚はたいてネットで注文。念願の銅板たこ焼き器が手に入った。

焼き入れ

銅板に限らず、フライパン等の金属には焼き入れが必要。最近流行りのダイヤモンドやらテフロンやらコーティングが施されているタイプは勿論必要ないが、この昔ながらの鉄・銅板には焼き入れが必要。

早速、購入したサイトが紹介していた焼き入れ方法を参考にやってみる。

  1. 用意するものは、まずラード。サラダオイル等では焦げ付くらしい。油引きはサラダオイル用しかなかったので、とりあえず焼き入れ用としてキッチンペーパーを丸く固めて麻紐縛って作った。
    ちなみにラードはスーパーマーケットで200円ぐらいで売っている。ネットでは600円で同じものが販売されていて、思わず買ってしまうところだった。あぶないあぶない。
  1. まずは、鍋を家庭用洗剤できれいに余分な汚れ、油を洗い流す。
  2. 乾いたところで、強火で焼いていく。
  3. 火にかけると結構なスピードでどんどん色が鮮やかな色に変わっていく

やはり、鉄と違い、銅の熱伝導率は高く、ここまではあっと言う間。

ほぼ焼けたのだが、右側火力の弱い部分だけが焼けきれてない。

割りばしを使って左右逆に入れ替えてみた。その際、ちょっと手を焼けどしてしまった。ちんちんに熱くなってるので結構危ない行為。マネしないでください(汗)

入れ替えたが、結局端の生焼け部分はこれ以上変わらなかった。多分焼きすぎなんだろうな。
  1. これ以上加熱すると全体が焦げそうだったので、焼き入れは一旦火を止め終了。
    かかった時間は大体2,3分ぐらいだったと思う。
  2. 次にラードを塗ってから、弱火で油を焚いて銅板にしみこませていく。
⑮ラードを塗ると、焦げた部分から錆のような感じで色が剥げていく

⑰ラードが切れないようにたっぷりの塗りこんでいく。換気扇はMAXにしておく。
⑱高温の油になるので、消火器等を用意しておいた方がいい。それから気化した油を吸うことになるので、マスクもしておいた方が良い。
⑲弱火にしているが、油の温度が上がって行き、煙が立ち込める。ラードを足しながら続ける。
⑳大体20分ぐらい焼きを入れた所で火を止め、余分な脂をキッチンペーパーで吸い取る。
これで焼き入れは終了。写真では表現できていないが、銅が玉虫色に光って結構綺麗というか、高級感が出た。
ちょっと焼き過ぎのような気もする。
  1. 試し焼きをする。サラダオイルを塗り、いつものたこ焼き加減より固めで調整した小麦粉を水で溶いたものを流し込む
1枚分の分量がわからなかったので、多めに作ったつもりが少し足りなかった・・・。
1回目のくくる作業。焦げ付きのこの字もない。
するりするりと銅から離れる。
粉の配分がかなり硬かったのでまん丸にならなかったが、焦げ付かず、小麦粉の焼けるいい匂いがする。これは今までになかった。試し焼きは勿体ないが庭に埋めた。
  1. これで、銅板たこ焼き器の焼きならしの終了。

銅板と鉄との比較

どうよ!この輝きの違い。個数こそ違うが、クオリティーの差は歴然。見ててうっとりするぐらい美しい。

実際のたこ焼きと考察

翌週、さっそくこの新しい銅板でタコパ~を開催。

まず、この銅板の美しさを眺めながら準備をする。心が躍る(大げさ)。分量は同じにしたが、火加減がわからない。最初、以前の鉄板と同様に火力全開で焼いてみたのだが、あっという間に煙が出て、慌てて粉を継いだら半分ほど焦げさせてしまった。全く焦げないのかというと火力を油の管理を間違えると焦げるということが分かった。

2回目は中火で焼いたが、やはり焦げ付いた所が焦げてしまう。でも何とかコツを得て焦げ付きも最小限で焼くことができた。

3回目は少し弱火にして焼いてみたら、焦げ付きもなくなり、あの「くくる」のようにするするとたこ焼きを転がす事ができ、まん丸のたこ焼きを作ることができた。

夢中だったので写真を撮ることをわすれたのだが、以前の28個よりも18個の大きなたこ焼きの方が中がトロトロに焼けるし、ひっくり返す手間も減る。というか、銅板の熱量がすごいのでとにかく手が熱くなる。こんなにも違うもんかと銅板の威力をまざまざと見せつけられる。侮りがたし銅板たこ焼き器。

以前からのレシピ、粉の分量では、この銅板の場合、硬く感じた。もちもちとした感覚がでてくる。大きな玉になるので焼く面積が多いからか、火が通りやすいのだろうか。そして、味はまだ納得できてない。色々出汁やら配合やらを工夫するつもり。次はもう少し緩めで作って、あのくくるに負けないたこ焼きを作って見せる。

おれはたこ焼き王になる!(苦笑)

追記:2022年、年の瀬

今年も残すところあと一日となった日の夕飯。久しぶりにたこ焼きをした。(正確にはタコの代わりにエビにしたのでエビ焼き)

ちょっと驚いたのは、鉄鍋では出てなかった錆(緑青)が出てしまっていた事。どこに出ていたかは見た目ではわからなかったのだが、表面の古い油をキッチンペーパーでふき取ると緑色になっていたのだ。しばらく使っていなかったとはいえ、結構多めに油をつけて保存しておいたのだが、やはり食用油だと防錆効果は薄いようだ。何回か油を引き、ふき取りを繰り返すと取れたのだが、やはり銅の扱いは難しい。緑青は体には無害という事らしいのだがそれはそれ、精神衛生上なにかと悪い。洗う訳にはいかないので、念には念をいれてふき取り、完全に取れた事を確認してから仕切り直し。

この銅鍋はフチが高いので全面にネタをたんまりと張れる。これがこの鍋の嬉しい所。しかし、やはりというか、火力に敏感なので火の加減がとても難しい。弱いと焼けないし、少し強いとすぐに焦げ付きそうになる。どうやら焼き入れが甘いようだ。一番火力の強く出る一番端の列(写真の奥の一列)の真ん中の焦げができてしまった。もうこうなると、どう油を引こうが何しようが焦げ付いてしまう。他の場所と入れ替えながらなんとか1回目が焼けた。

奥の列が焦げ付きやすくなっているので綺麗に焼けてない。

今回は鍋の状態もそうだがレシピも少し挑戦した所があって、味も形も失敗だった。少しがっかり。
次に備えてレシピの調整と、また来年にでも鍋の焼き直しをする予定。うぐっつ!

編集後記:一寸にも足らない戯言。

コロナも落ち着いたと思ったら、冬到来に合わせて第八波の予兆。インフルと合わせて感染者数は増大する等マスコミ、政府関係が騒ぎ出した。うーむ。以前のブログ記事でも紹介したが、ワクチンは2,3回とも接種後に副反応が酷かった。そもそも、インフルエンザ予防接種でも、副反応(そのころは副反応という言葉もなかった時代)が出ていた虚弱な体なので、正直4回目接種には慎重になっている。今、他の持病治療も行っているので、重症化リスクは高いとはいえ、逆にその副反応も影響がでるのではと怖くなっている。その他、政府方針でマイナンバー化やらインボイス、改正電帳法やら忙しいのに、自分の鬱具合も相まって、私の頭のなかは錯乱状態になっている。