Outlookの送受信時に「対象のプリンシパル名が間違っています。」エラー

対象のプリンシパル名が間違っています。

Outlookのサーバ設定で、以外に間違えやすいエラー内容として、この「対象のプリンシパル名が間違っています。」エラーが出てしまい、そのまま放置して、何故か受信が出来ないとか、送信が出来ない等の自体に陥るケースが増えている。

インターネットセキュリティー警告
接続しているサーバは、確認できないセキュリティー証明書を使用しています。
対象のプリンシパル名が間違っています。
「証明書の表示(V)…」
このサーバの使用を続けますか?

プリンシパルとは?このエラーの意味と原因。

言葉としての意味は、

プリンシパル【principal】:主要な。 主たる、第一の、最も重要な人。 バレエなどの主役。

となるが、PCの世界だと、細かく言うと長くなるが「サーバ名」と覚えておけばいいでしょう。なので、このエラーの意味としては、

『メール送受信に使われるPOP3、SMTPサーバ名か、そのポート番号が違ってますよ』

と言う事になる。

ただ、パスワードが間違っていても、このエラーは出る。ここは勘違いしないようにしたい。また、先ずはサーバに接続できないとパスワードも検証ができないので、この時点でパスワードが合っていると判断してはいけない。

そして忘れがちなのだが、必ずそのパソコンがインターネットに接続している必要がある。オフラインの場合でも、このエラーが表示され、次に進めない。

暗号化と平文

最近ではセキュリティーが重要視されているので、各プロバイダやホスティング、レンタルサーバが提供しているメールサーバには、必ずといって良いほど暗号化に対応しているメールサーバ、ポートを用意している。

例えばエックスサーバー であれば、サーバプリンシパル名は、svXXX.xserver.jp(XXXは契約サーバによって異なる)で、ポートはそれぞれ、

暗号化ポート:(例:エックスサーバ)

受信サーバ(POP3):995、(IMAP):993
送信サーバ(SMTP):465

となる。

各々のレンタルサーバ会社、プロバイダによって異なるが、このサーバ(プリンシパル)名を「標準ドメイン名」と呼ぶ事もある(Zenlogicさん)ので、独自ドメイン名で契約していても、メールに使用できるサーバ名は違う場合が多いので、契約内容から調べておく必要がある。
暗号化なし(平文)であれば、大体どこのサーバでも、

暗号化無しポート:受信サーバ(POP3):110、(IMAP):143、送信サーバ(SMTP):587

となる。

昔のメール設定(余談)

一昔前だと送信サーバは25だったが、スパムメールの踏み台に利用されてからはそのポート(OP25B 【Outbound Port 25 Blocking】)は閉じられ、587ポートが使われるようになった。このポートは送信でも認証を行うSMTP Authや、利便性が悪くなったので廃止されたが、POP before SMTPのようにPOP認証を行わないと送信できませんという仕組みの為のポートである。

また、プリンシパル名は、例えばドメイン名が「hogehoge.xxx」なら、それぞれpop、smtpをドメイン名の前に付け、pop.hogehoge.xxx、送信サーバはsmtp.hogehoge.xxxもしくは、mail.hogehoge.xxxとなるが、このサーバ指定では、大体は暗号化なし平文通信のみの設定となる。

Outlookの大きなお世話

Outlookは親切なようで非常に判り難いシステムで、初めてOutlookを立ち上げると、メールアドレスから勝手に暗号化ポートでの送受信サーバを設定してしまう。そのプリンシパル名(サーバ名とポート)が合ってないのに、理解せずこれに乗っかってユーザが最後まで設定を済ましてしまい、いざ送受信をしようとするとこのエラーが出る。まだエラーが出ればまだいいのだが、送受信自体は正常に終了するが、実際に送られている筈のメールが受信できない、送信できない等の状態に陥る。

なので結局サーバ設定をまた変更する事になる。大きなお世話なんだよな。

暗号化無し(平文)で設定する場合①

では、どうすればいいのか。

初期のメール設定フェーズでのエラーであれば、「アカウントの使用を続けますか?」で、「いいえ(Y)」をクリックして、サーバ設定に戻る。

大体は、「はい(Y)」をクリックで設定画面を閉じてしまって、先述のように送受信が出来ない状態に陥る。送受信両方間違っている場合は、「はい(Y)」をクリックしても、もう一度同じ画面が表示される。

「はい(Y)」で進んで、設定を終了させてしまった場合は、こちら。

「いいえ(Y)」をクリックし、次の画面で「アカウント設定の変更」をクリックして設定画面に戻る。

サーバ設定画面に戻すと、勝手に設定されているドメイン(私のドメインの場合はtomsword.com)で、定番として頭にそれぞれ、popsmtpが付加されている設定となっている。

そりゃプリンシバルは違いまんがな。と突っ込みたくなるのだが、実際に私のサーバの場合では送受信サーバ共に「svXXX.xserver.jp」を設定しなくてはいけない。

暗号化なしで設定するのであれば、次のように設定する。

あくまで例なので、お使いのサーバの名、ポート番号設定に従ってください。ただ、大体はこのポート番号で通る。

  • 受信メールサーバ:使用中のメールサーバアドレス
  • 受信メールサーバのポート:110
  • このサーバで暗号化された接続(SSL/TLS)が必要のチェックを外す
  • 送信メールサーバ:使用中のメールサーバアドレス
    (smtp.xxxxではなく、mail.xxxx等にする必要があったりするので要注意。)
  • 送信メールのサーバのポート:587
  • 送信メール設定部の暗号化方法を「なし」
  • セキュリティーで保護されたパスワード認証(PSA)でのログオンが必要のチェックを外す

とする必要がある。

これであれば、取得したドメイン名でのサーバ設定でも問題なく送受信できるようになる。

暗号化無し(平文)で設定する場合②

設定が終了後(Outlookホーム画面に戻ってから)のプロファイル管理の対策は次のようになる。

設定、プロファイルの開き方は次の記事を参照。

暗号化で設定する場合①

暗号化で設定するなら次のような設定になる。

送受信のサーバ欄は、レンタルサーバ指定のプリンシパル名をそれぞれ入力する。

  • 受信メールサーバのポートは「995」そして、「このサーバでは暗号化された接続(SSL/TLS)が必要」にチェック。
  • 送信メールサーバのポートは「465」、そして、「暗号化方法」は同じように「(SSL/TLS)」を選択する。
  • その他のチェックは必要ない。

お使いのサーバ名、設定ポート番号設定に従ってください。

これで、次へをクリックし、パスワードを入力する。

パスワードが合っていれば、次のフェーズに進み、

暫くしてから、この画面が表示され、追加が完了する。

スマートフォンにも設定するのチェックを外して「完了」ボタンを押す。

暗号化で設定する場合②

同様に、設定後のプロファイル管理での画面は次のようになる。

最終確認

このフェーズを正常に完了すると、自動でテストメールが送信されるので、受信出来れば設定は完了となる。

因みに、アカウント作成時にこのメールは必ず送信されてしまう。設定変更時でのメール送信を行わないようにするには、自動的にテストするのチェックを外せばいい。

ただ、何度も設定等、急いでる場合は忘れがち。テストメールが沢山届く事になるのは、やはり気持ちの良い物ではない。