スローパンクチャー
車の空気圧を調整した次の週。メルセデスのタイヤ空気圧警告で「空気圧を調整してくれ」と表示がでた。
調整したばっかりなのに空気圧間違ったのかと再度確認してみたら、右後輪だけ1.5kg/㎠に減っていた。外観ぱっと見、特に釘が刺さっているようにも見えなかったし、以前の調整時にエアゲージのメモリを読み間違えたのかと、とりあえずまた2.3kg/㎠に調整して様子をみていた。しかし、5日経った頃にまた同じ警告が出た。
あ、これはおかしい。釘が刺さっているならもう少しペースは早い筈。でもこのペースのスローパンクチャであれば、リム等のゴム劣化からの漏れが濃厚で、そうなると修理は難しいし、最悪交換となる。
後輪は265/35R18で、タイヤとしてはなかなか高価な買い物になる。5年前でも高かったのに今だったらどれぐらい値上がりしているのか大体予想はつくのだが、ちょっとブルーな気持ちで、そろそろブレーキのチェックとタイヤのローテーション時期だったので、タイヤパンク確認と共に点検を兼ねて整備をする事にした。
刺さってる
それにしても、空気圧調整後に警告が出るのはタイミングが良すぎる。何なのだろうか。タイヤは結構デリケートでもあるし、なにより、経年劣化した場合は、ちょっとした外力でエア漏れに至る事は良くある。
タイヤを外し、どこかなぁ~とタイヤを一周確認すると、あった。内側なので見えずらかったが、恐らくはプラスネジがぐっさりと刺ささっている。

実は自分の車で釘等が刺さってパンクするのは初めてだ。今まで無かったのは幸運だったのかもしれない。ユーザの車なら数えきれない位見てきたが、とうとう自分の車にパンクが発生してしまった。タイヤの内側なので悪戯ではないと思うが、この釘の刺さり具合を見ていつも思うのだが、どうやったらこんなに綺麗に刺さるのか、不思議だ。
メルセデスの空気圧警告システム
さて、このメルセデスの空気圧警告システムのおかげでパンクに気が付けたのはとてもありがたい事だ。これが無かったら、多分、ぺちゃんこになるまで気が付かなかっただろう。この空気圧警告システムは「間接式」と言う方式らしく、ホイールに大そうな空気圧センサーがある訳でなく、各タイヤの回転数の誤差を検知するものであって、空気圧が変わるとタイヤ外径も変わるので、その回転数の差を利用したもの。このシステムが判った時には、流石はメルセデスといたく感心したものだった。欧州ではTPMSが義務化されているようだ。自動ブレーキや自動運転がもてはやされている感のある車業界だが、タイヤの溝や空気圧が正常でないと、いくら高性能な動力性、制動性、自動ブレーキ、自動運転等が備わっていたも、その性能を生かし切れないのは言うまでも無い。
刺さっていたネジ
3kg/㎠強のエア圧をかけて石鹸水をかけてみるが、泡は出ない。

釘自体が短くて内側まで達していないのか、幸運な事にその箇所に強い力が掛からないと漏れが出ないようだ。
さて、ここで用意しないといけないのが、パンク修理キット。もういつ買ったかも忘れていたのだが、一応、車に常備しておいたアストロ製のそれを引っ張り出す。

当時価格のセットで750円の値札。安いねぇ。今は、ゴム、接着剤別の工具部分だけで1,000円を超えてる。異常だよこの物価。まぁ、価格の話はおいといて、何年前に買ったかどうかも覚えていない程の代物が使えるのかどうかだ。
ゴムは触った所、特に劣化もなく、弾力を保っているので使えそうだ。これは凄いと思った。さて、問題は接着剤。封は開いていないので大丈夫と思うが、実際開けたらカチコチか蒸発して空とかだったらどうしようとおもったが、おもいの他、普通の状態を保っていたので安堵。

準備が出来たので、ペンチで釘を引っこ抜く。すると意外と長いビスが出てきて、抜いたとたん、勢いよくその穴からエアが噴き出てきた。予想は外れ、完全に貫通していたようだ。

最近のタイヤは釘が刺さっても自己修復力で一気には抜けないようになっているのは本当のようだ。流石に釘が抜けても塞がるまではいかないようだが、私としては、ランフラットタイヤやテンパータイヤなどは、もういらないのではないかと思う今日この頃。
さて、いつも作業中にガレージに飛んで行ったネジ等は、車が踏まないように血眼になって回収し、さらに全面掃除をして金物が残らないよう気を付けてはいる。しかし、そうはいっても気が付かない事もあるので、自分が作業で使ったビスを踏んだのかと思ったが、これは下穴のいらない強制的に母材にネジを切りながらねじ込むスチールで使うタイプの木ネジだ。即ち、「横着」用のビスだからこのビスは嫌いで、これは私は通常使わないようにしているから、自分の家で踏んだものではない事が判った。
さて、セオリー通りに開いた穴にヤスリ棒でなじませた後に、ゴムに接着剤を付けて穴にねじ込む

もう何年もやってないから、あれ?こんなに力要ったっけ?となかなか入ってくれない。力を入れるとタイヤがへこむ。もう少しヤスリで穴を少し広げ、タイヤ空気圧を上げた状態で、何度かトライするとズルッとはいってくれた。

工具だけを抜き、はみ出たゴムをニッパーで切り取る。これもなかなか切れてくれない。これはニッパーが馬鹿になってるだけだったのだが。

これで完成。石鹸水をかけても漏れなし。最後にタイヤ空気圧警告システムのリセットを行ってパンク修理自体は完了。

後は、ブレーキ関係のチェックと簡単な清掃とタイヤローテーション。ローテーションといっても前後のサイズが違うので左右の交換だけなのだが、これでもだいぶ持ちが違う。
工具の謎
この工具の先端部分は3種類あるのだが、よく見ると、どういう時に使うのかと疑問に思うものがある。

今回使ったのは一番上のものだが、一番下の工具も使い方は分かるのだが、真ん中の使い方がわからん。これだとゴムが抜けないじゃないか。何の為にどうやって使うのだろうか。何かを穴に通すものなのかとは想像は出来るが、甚だ疑問だ。
ブログ後記:一寸にも足らない戯言
アメリカでは2007年、欧州では2012年。韓国でさえ2013年にTPMSが義務化されている。なのに先進国で有る筈の日本は未だ検討中らしい。
やれミサイル、やれ軍艦、戦闘機──やれ国際社会のためにODA、経済のためにオリンピックや万博と、惜しげもなく財源論もないまま大盤振る舞いが続く。
防衛が必要だという意見も確かに一理ある。だが、そもそも人間同士がいがみ合わなければ、そんなものは無用の長物だ。だからこそ、共存の道を探るためにこそ、外交でこそ手腕を発揮してほしいと思うのだが、実際には金を使って楽な方、楽な方へと流されているようにしか見えない。
その一方で、国内のインフラ整備や援助、法制度の更新は放置されたまま。乾いた雑巾をさらに絞るかのように増税を繰り返し、国民を苦しめるばかりの現政府。

これは決して誹謗中傷ではない。一国民が実際に感じている思いを綴ったものであり、それに対してとやかく言われる筋合いはない。
ともかく、我々が持つ唯一の「伝家の宝刀」、すなわち選挙権を行使するしかない。もっとも、それも選挙が正当に扱われているという前提があってこそだ。しかし、今やその信頼すら揺らぎつつある。
このような状況にもかかわらず、政府は耳を貸さず、反省もせず、改善もない。その姿勢に、ただただ失望するばかりだ。
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